2024年発売モデルを2年間調べて分かった、家電が安くなる本当の見方
家電の買い時について調べると、
「3月が安い」
「決算期が買い時」
「新製品が出る前がいちばん安い」
といった説明をよく見かけます。
たしかに、こうした説明には一部当てはまるところがあります。実際、決算期にはセールが増えますし、新製品が出る前後で旧モデルの価格が動くこともあります。だから、こうした言い方が完全に間違っているわけではありません。
しかし、実際にメーカーごとの価格の動きを調べると、こうした説明はいつも当てはまるわけではありません。人によって言うことが違うので、「結局いつ買えばいいのか分からない」と感じる人も多いと思います。ある人は「3月が安い」と言い、別の人は「9月が狙い目」と言い、さらに別の人は「新モデル発表直前まで待つべき」と話します。これでは、家電に詳しくない人ほど迷ってしまいます。
なぜこうなるのでしょうか。
その理由は、家電は種類ごとに発売する時期が違い、しかもモデルごとに値下がりする速さも違うからです。発売時期が違うのに、すべての家電が同じ月に安くなるとは考えにくいです。さらに、同じ家電の中でも、メーカーが違えば売り方や価格の守り方が違い、モデルが違えば人気や在庫の動きも変わります。そのため、家電をひとまとめにして「この月が安い」と言い切るのは、実はかなり難しいのです。
そこで今回は、2024年に発売された家電を対象にして、価格.comの価格推移を約2年間調べました。その結果をもとに、家電はいつ安くなるのかを「発売してから何か月後か」という見方で考える形でまとめます。
この記事では、単に「この家電は何月が安い」という言い方ではなく、次の3点をできるだけ数字で分かるように説明します。
- 発売してからどれくらいで最初の大きな値下がりが起きるのか
- その後、どれくらいで底値に近づくのか
- 家電の種類ごとに、そのスピードにどんな違いがあるのか
調査の進め方
1. どのように調べたのか

今回の調査では、各カテゴリで容量・サイズ・価格帯が近い2024年発売モデルを抽出し、家電の種類ごとに、できるだけ近い仕様のモデルをそろえて比べました。
調べた家電は次の通りです。
- 冷蔵庫
- テレビ
- エアコン
- 洗濯機(縦型)
- 洗濯機(ドラム式)
- 掃除機
- 炊飯器
- 電子レンジ
- ノートパソコン
これらは、家庭でよく使われる家電の中でも、価格が比較的大きく動きやすく、買い時によって支払う金額の差が出やすいものです。また、日常生活で使う人が多いため、「少しでも安く買いたい」と考える場面が多い家電でもあります。
それぞれのモデルについて、次の項目を調べました。
- 発売日
- 初値
- 初期に大きく値下がりした時期
- その時の価格と下落率
- 長い期間で見た底値の時期
- その時の価格と下落率
ここでいう「初期価格下落」とは、発売されてから早い時期に見られる大きな値下がりのことです。たとえば、発売直後は高めだった価格が、1〜5か月ほどの間に大きく下がるような場面です。
また「長期価格下落」とは、価格がかなり下がり、安い状態が続くようになった時期のことです。これは、単に一時的に少し安くなったということではなく、価格が下がったあともあまり大きく戻らず、低めの価格帯に入っていく流れを指しています。言いかえると、「このあたりまで来ると、かなり安い水準に近づいた」と考えられる時期です。

今回、特に大切にしたのは、**「何月が安いか」ではなく、「発売してから何か月後に安くなるか」**という見方です。
これはとても大切なポイントです。たとえば、Aという冷蔵庫が3月発売で、Bというテレビが8月発売だったとします。この2つは同じ年に売られていても、発売した時期が違うので、価格の下がるタイミングも当然ずれます。それなのに、両方をまとめて「3月が安い」と言ってしまうと、本当の値動きが見えにくくなります。
そこで今回は、カレンダーの月ではなく、発売日からの経過時間に注目しました。こうすることで、家電の種類ごとの値下がりの速さを、より公平に比べることができます。
まず見えてきたこと
2. まず分かったこと
家電は「同じ月」に安くなるのではなく、「違う速さ」で安くなる
今回の調査で最も大事だったことは、家電が安くなるタイミングは、種類によってかなり違うということです。
つまり、
「家電は3月が安い」
「新製品前が最安値」
といった一言では、すべての家電を説明できません。
もっと正確にいうと、多くの家電は発売後しばらくすると値下がりします。しかし、その「しばらく」が、家電の種類によって違います。
- 1〜2か月で大きく下がるもの
- 4〜5か月たってから下がるもの
- 底値まで約12か月のもの
- 底値まで約19か月かかるもの
このように、下がり方にはかなり差がありました。
ここで大切なのは、「どの家電も値下がりはするが、下がり方の形は同じではない」ということです。ある家電は発売してすぐに価格が調整され、別の家電はしばらく高値を保ったあとに動きます。また、最初の値下がりは早くても、その後なかなか底値にならない家電もあります。
つまり、家電の価格を考えるときは、決算期のような時期だけでなく、そのモデルが発売してからどれくらいたったかを見る必要があります。
この見方をすると、SNSの情報がなぜバラバラなのかも少し分かってきます。多くの発信では「月」だけが強調されますが、実際には「発売後何か月か」という情報がないと、かなり大ざっぱな説明になってしまうのです。
家電カテゴリごとの平均傾向
3. 家電ごとの平均データ
まず、ここで示す数字はあくまで平均値なので、個別モデルには例外があります。その点を意識しながら、家電の種類ごとの平均を表で見てみます。
| カテゴリ | 調査モデル数 | 平均発売時期 | 初期下落 平均月数 | 初期 平均下落率 | 底値までの 平均月数 | 底値 平均下落率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 17 | 3月上旬 | 4.84か月 | 32.1% | 14.51か月 | 45.4% |
| テレビ | 9 | 6月中旬 | 4.40か月 | 28.2% | 18.84か月 | 46.5% |
| エアコン | 34 | 2月/10月 | 3.63か月 | 19.2% | 12.18か月 | 33.1% |
| 洗濯機 (縦型) | 16 | 6月中旬 | 1.60か月 | 30.0% | 12.36か月 | 49.4% |
| 洗濯機 (ドラム) | 24 | 10月上旬 | 5.05か月 | 33.8% | 13.83か月 | 46.7% |
| 掃除機 | 20 | 8月中旬 | 3.43か月 | 27.0% | 14.84か月 | 48.1% |
| 炊飯器 | 18 | 8月上旬 | 1.56か月 | 27.8% | 12.74か月 | 46.5% |
| 電子レンジ | 14 | 6月下旬 | 1.46か月 | 24.1% | 12.46か月 | 49.8% |
| ノート パソコン | 19 | 8月下旬 | 1.94か月 | 9.3% | 14.86か月 | 26.1% |
この表から、少なくとも3つのことが分かります。
3.1、初期の値下がりする速さは家電によって異なる
発売後の初期で値下がりするまでの速さは、家電によって大きく違います。
たとえば、
- 電子レンジ
- 炊飯器
- 縦型洗濯機
は、発売後1〜2か月で大きく下がり始めます。
一方で、
- 冷蔵庫
- テレビ
- ドラム式洗濯機
は、発売後4〜5か月ほどかかります。
この差は、買う側にとってかなり重要です。なぜなら、電子レンジや炊飯器のように早く下がる家電では、発売直後に買うか、少し待つかでかなり差が出るからです。反対に、冷蔵庫やテレビは、少し待っただけではまだ十分に下がらないこともあります。
3.2、底値までの期間にも大きな差がある
発売から底値までの期間にも大きな差があります
エアコン、電子レンジ、縦型洗濯機は、約12か月で底値に近づきます。しかしテレビは、平均で18.84か月かかっています。これは、テレビが今回の中で最も長く値下がりを続けたことを意味します。
つまり、「最安値を狙うならどれくらい待つべきか」は、家電ごとにまったく違うのです。12か月ほどでかなり安くなる家電もあれば、1年半以上待った方がよい家電もあるということです。
3.3、値下がり率も家電によって異なる
どれくらい安くなるかも、家電によって違うということがわかりました。
たとえば、ノートパソコンの初期平均下落率は9.3%です。それに対して、ドラム式洗濯機は33.8%、冷蔵庫は32.1%です。
つまり、どの家電も同じように値下がりするわけではありません。大きく下がる家電もあれば、あまり下がらない家電もあります。この違いを知らずに「型落ちまで待てば安くなる」と考えてしまうと、家電によっては思ったほど得にならないこともあります。
また、最近になってフラッグシップモデルを中心に「指定価格」を導入するメーカーがあり、このような家電の値下がり率は極端に低い傾向となっています。主にPanasonic製と日立製家電のフラッグシップモデルが「指定価格」となっています。
ここまでの表だけでも、「家電はこう買えばいい」と一つに決めるのは難しいことが分かります。大事なのは、自分が買おうとしている家電が、どのタイプの値動きをしやすいのかを知ることです。
なぜSNSの買い時情報はそろわないのか
4. なぜSNSの買い時情報はバラバラなのか
4.1 人によって何を基準にしているかが違う
SNSで家電の買い時を説明している人たちは、みんな同じ基準で話しているわけではありません。よく使われる基準は、次の3つです。
- 決算期やボーナス商戦などのセール時期
- モデルチェンジや新製品発表の時期
- 実際の価格の動き
これらは関係していますが、同じではありません。そのため、どれを重視するかによって、説明が変わってしまいます。
たとえば、量販店のセールを中心に見ている人は「決算期が安い」と言いやすくなります。一方、新旧モデルの入れ替わりを中心に見ている人は「新製品前が狙い目」と言うでしょう。そして、実際の最安価格の動きを追っている人は、「モデルによって違う」という答えになりやすいです。
つまり、話している内容が違うというより、見ているものが違うのです。そのため、同じ「買い時」の話でも、出てくる答えがずれてしまいます。
4.2 家電ごとに発売時期が違う
今回の調査では、家電の種類ごとに発売時期がかなり違っていました。
| カテゴリ | 主な発売時期 |
|---|---|
| 冷蔵庫 | 2月〜5月が多い |
| テレビ | 5月〜7月が多く、SONYは8月 |
| 縦型洗濯機 | 5月〜7月が多い |
| ドラム洗濯機 | 9月〜11月が多い |
| エアコン | 1月〜4月と9月〜11月に分散 |
| 掃除機 | 8月〜10月が多い |
| 炊飯器 | 6月〜9月が多い |
| 電子レンジ | 6月〜7月が多い |
| ノートパソコン | 9月〜11月が多い |
この表を見ると、家電ごとに発売される時期がそろっていないことが分かります。そのため、すべての家電が同じ月に安くなると考えるのは無理があります。
たとえば、冷蔵庫は春ごろの発売が多いのに対し、ドラム式洗濯機やノートパソコンは秋ごろの発売が多くなっています。これだけでも、価格が下がるタイミングが自然とずれていくことが想像できます。
もし「発売後4か月で下がりやすい」という家電があったとしても、3月発売のモデルなら夏ごろ、9月発売のモデルなら年明けごろにその時期が来ます。つまり、同じ値下がりパターンでも、発売月が違えば買い時の月はずれるのです。
4.3 「新商品が出る前が最安値」とは限らない
よくある説明では、「新商品が出る前がいちばん安い」と言われます。でも、今回の調査結果は、必ずしもそうではないことを示しています。
たとえば、
- 冷蔵庫の底値までの平均は 14.51か月
- テレビの底値までの平均は 18.84か月
でした。
これは、新商品が出る前に安くなることもあるけれど、新商品が出た後もしばらく旧モデルの価格が下がり続ける場合があるということです。
つまり、「新製品発売前=最安値」と決めつけるのは、少し単純すぎる見方だといえます。
実際には、新しいモデルが出ても、旧モデルの在庫がまだ多く残っていることがあります。その場合、すぐに最安値になるのではなく、しばらくたってからさらに価格が下がることがあります。逆に、新モデル発表前でも人気が高い旧モデルはあまり下がらないこともあります。
そのため、「新商品前かどうか」だけで買い時を判断するのは危険です。大事なのは、そのモデルがどのくらいの期間売られてきたか、そして価格がどんな流れで動いてきたかです。
家電別に見る、価格の下がり方の違い
5. 家電ごとの価格の下がり方
ここでは、「新型を初期で買うならいつか」「底値を狙うならいつか」という2つの視点で、各カテゴリの特徴を見ていきます。
5.1 冷蔵庫
冷蔵庫は、発売後すぐに大きく下がるというより、少し時間がたってから下がる家電です。
- 発売時期:2月~5月
- 初期下落(平均):4.84か月後
- 初期下落率(平均):32.1%
- 底値到達(平均):14.51か月後
- 底値下落率(平均):45.4%
平均すると、発売後4〜5か月で最初の大きな値下がりが起こり、その後1年以上たって底値に近づきます。
また個別に見ると、
- 三菱・東芝は2〜3か月で下がりやすい
- シャープ・パナソニックは4〜5か月
- 日立は7〜9か月と遅め
という違いもありました。
そのため冷蔵庫は、「9月が安い」と決めつけるより、そのモデルが発売してから何か月たっているかを見る方が正確です。
冷蔵庫は価格が高い家電なので、数万円単位で差が出ることも珍しくありません。そのため、発売後すぐに必要でないなら、最初の大きな値下がりが来るまで少し待つだけでも、かなり有利になる場合があります。
一方で、メーカーによって値下がりの速さに差があるので、「冷蔵庫なら全部同じように下がる」と考えないことも大切です。冷蔵庫は、カテゴリの中でもメーカー差が比較的目立ちやすい家電だといえそうです。
5.2 テレビ
テレビは、今回の調査で最も長く値下がりが続く家電でした。
- 発売時期:5月~8月
- 初期下落(平均):4.40か月後
- 初期下落率(平均):28.2%
- 底値到達(平均):18.84か月後
- 底値下落率(平均):46.5%
テレビは、発売後4〜5か月でまず一度下がります。しかし、底値になるまでにはかなり時間がかかります。
だからテレビでは、
- 早めに買うなら:発売後 4〜6か月
- なるべく安く買いたいなら:発売後 18か月前後
という2つの考え方ができます。
「テレビは20か月で最安値になることがある」という見方は、今回の数字から見てもかなり納得できます。
テレビは人気のサイズや機能によっても値動きが変わりやすく、長い期間売られるモデルもあります。そのため、最初に値下がりしたからといって、そこが底値とは限りません。むしろ、値下がりが長く続くことを前提に見た方がよさそうです。
その意味で、テレビは「少し安くなったら買う」か、「かなり待って底値を狙う」かの判断がしやすい家電でもあります。中途半端な時期に買うより、自分がどちらを優先するのかを決めた方が後悔しにくいでしょう。
5.3 エアコン
エアコンは、値下がりするまでの期間は中くらいですが、下がる割合は他の家電より少し小さめでした。
- 発売時期:1月〜4月と9月〜11月に分散
- 初期下落(平均):3.63か月後
- 初期下落率(平均):19.2%
- 底値到達(平均):12.18か月後
- 底値下落率(平均):33.1%
今回の調査では、ダイキンやパナソニックは、他社より価格が下がりにくい傾向がありました。
つまりエアコンは、「どのメーカーでも同じように安くなる」と考えない方がよい家電です。
また、エアコンは季節によって需要が大きく変わる家電でもあります。暑い時期や寒い時期に急いで買う人が増えると、価格や工事の混み具合が変わることもあります。そのため、価格の数字だけでなく、必要になる時期との関係も考える必要があります。
エアコンは、他の家電よりも「とにかく底値を待てばよい」とは言いにくいカテゴリです。必要な時期を過ぎてしまうと意味がないので、価格と実用性のバランスを見ることが大切です。
5.4 縦型洗濯機
縦型洗濯機は、発売後かなり早い段階で値下がりしやすい家電でした。
- 発売時期:5月〜7月
- 初期下落(平均):1.60か月後
- 初期下落率(平均):30.0%
- 底値到達(平均):12.36か月後
- 底値下落率(平均):49.4%
発売後1〜2か月で大きく下がり、1年ほどでかなり安くなります。そのため、縦型洗濯機は「新製品が出るまで高いまま」とは限らず、発売後わりと早く価格が調整される家電だといえます。
この結果を見ると、縦型洗濯機は比較的読みやすい家電です。発売直後だけ避ければ、それなりに価格が落ち着いてきますし、1年近く待てばかなり安い水準も狙えます。
そのため、「急ぎではないが長く待てない」という人には、縦型洗濯機はタイミングをとりやすいカテゴリだといえます。
5.5 ドラム式洗濯機
ドラム式洗濯機は、縦型よりも下がり始めるのが遅いですが、下がる幅は大きいです。
- 発売時期:9月〜11月
- 初期下落(平均):5.05か月後
- 初期下落率(平均):33.8%
- 底値到達(平均):13.83か月後
- 底値下落率(平均):46.7%
つまりドラム式は、待つ期間は少し長いが、いったん下がり始めると大きく下がる家電だと考えられます。
ドラム式洗濯機は価格が高いモデルが多いので、下落率が大きいことは、そのまま金額の差の大きさにつながります。数パーセントの違いでも、実際の支払額ではかなり差が出ることがあります。
そのため、ドラム式を買うときは、縦型と同じ感覚で「出てすぐ少し待てばいい」と考えない方がよいでしょう。むしろ、ある程度時間を置いて、本格的に価格が下がり始めるのを待つ方が合理的です。
5.6 掃除機
掃除機は、短期の値下がりも長期の値下がりも比較的はっきりしていました。
- 発売時期:8月〜10月
- 初期下落(平均):3.43か月後
- 初期下落率(平均):27.0%
- 底値到達(平均):14.84か月後
- 底値下落率(平均):48.1%
発売後数か月で一度下がり、その後1年以上かけて底値に近づいていきます。初期でもある程度安くなりますが、しっかり安く買いたいなら1年以上待つ価値がある家電です。
掃除機は新機能や軽量化などが毎年話題になりやすい一方で、旧モデルも十分使えることが多い家電です。そのため、最新機能に強いこだわりがなければ、少し前のモデルを安く買うという選び方がしやすいカテゴリでもあります。
5.7 炊飯器
炊飯器は、価格の動きが早い家電です。
- 発売時期:6月~9月
- 初期下落(平均):1.56か月後
- 初期下落率(平均):27.8%
- 底値到達(平均):12.74か月後
- 底値下落率(平均):46.5%
炊飯器は、発売してからすぐに価格が動きやすいので、発売直後に買わないだけでもかなり差が出やすい家電だといえます。
炊飯器は、見た目では似ていても価格差が大きい商品が多いですが、値下がりの流れを見ると、時間がたつことでかなり買いやすくなります。そのため、どうしても今すぐ必要という場合をのぞけば、少し待つことの効果が大きい家電です。
5.8 電子レンジ
電子レンジも、炊飯器と同じように早い時期から値下がりしやすいです。
- 平均発売時期:6月〜7月
- 初期下落(平均):1.46か月後
- 初期下落率(平均):24.1%
- 底値到達(平均):12.46か月後
- 底値下落率(平均):49.8%
特に注目したいのは、底値下落率が約50%と大きいことです。つまり電子レンジは、時間をかけて待つことで大きな価格メリットを得やすい家電です。
初期でも下がりやすく、長期ではさらに大きく下がるので、電子レンジは「待つほど有利になりやすい」カテゴリといえます。もし急ぎで買う必要がないなら、発売直後の購入は避けた方がよい可能性が高いです。
5.9 ノートパソコン
ノートパソコンは、今回の中では少し特別な動きをしていました。
- 平均発売時期:8月下旬
- 初期下落(平均):1.94か月後
- 初期下落率(平均):9.3%
- 底値到達(平均):14.86か月後
- 底値下落率(平均):26.1%
初期の下落率がかなり低いので、ノートパソコンは他の家電のように「発売後すぐに大きく安くなる」とは言えません。
そのため、ノートパソコンについては、「型落ちになるまで待てば半額近くになる」と考えるのはあまり正しくないようです。
ノートパソコンは、性能や仕様の違いが細かく、キャンペーンや販売方法も家電とは少し違います。そのため、冷蔵庫や炊飯器のような値下がり方をそのまま当てはめるのは危険です。
この結果から見ると、ノートパソコンは「待てば待つほど得」と考えるより、必要な性能と価格のバランスを見て判断する方が現実的だといえます。
実際に買うときの考え方
6. 買い時を考えるならどう見るべきか
今回の調査結果から、家電の買い方は大きく2つに分けて考えることができます。
6.1 そこまで急ぎではないが、長く待ちたくない場合
この場合は、初期下落の平均時期を目安にするのが分かりやすいです。
- 炊飯器、電子レンジ、縦型洗濯機:発売後 1〜2か月
- エアコン、掃除機:発売後 3〜4か月
- 冷蔵庫、テレビ、ドラム式洗濯機:発売後 4〜5か月
この考え方なら、発売直後の高い価格を避けながら、あまり長く待たずに買うことができます。
これは、「いちばん安い時期までは待てないけれど、発売直後の高値では買いたくない」という人に向いています。現実には、家電は壊れたから買い替える場合も多く、理想どおり長く待てるとは限りません。そのため、この「短期下落を狙う」という考え方はとても実用的です。
6.2 できるだけ安く買いたい場合
できるだけ底値に近い価格で買いたいなら、底値までの平均月数を目安にします。
- エアコン、縦型洗濯機、電子レンジ:発売後 12か月前後
- 炊飯器、ドラム式洗濯機:発売後 13か月前後
- 冷蔵庫、掃除機、ノートパソコン:発売後 14〜15か月前後
- テレビ:発売後 18〜20か月前後
この見方は、「何月が安いか」という一般的な説明よりも、実際の価格の動きに合っています。
もちろん、平均はあくまで平均なので、すべてのモデルがぴったり同じ時期に底値になるわけではありません。しかし、何も基準がないまま買うよりは、かなり判断しやすくなります。少なくとも、「このカテゴリなら、だいたいこれくらい待つと底値に近づきやすい」という目安になります。
また、家電を買うときは価格だけでなく、必要な時期、在庫切れのリスク、新モデルの機能差なども考えなければなりません。そのため、底値だけを追いかけるのではなく、「どのくらい安ければ納得できるか」を自分の中で決めておくことも大切です。
この調査から言えること
7. この調査から考えられること
今回の調査から分かったことは、家電の買い時情報がバラバラなのは、発信している人が適当だからとは限らない、ということです。
むしろ、
- 何を基準にしているかが人によって違う
- 家電ごとに発売時期が違う
- 家電ごとに値下がりする速さが違う
- 底値が新商品発売前だけで決まるわけではない
という理由があるため、同じ説明をすべての家電に当てはめることができないのです。
だからこそ、家電の価格を予想するときは、
「家電は何月に安いか」
ではなく、
「そのモデルは発売してから何か月たっているか」
と考えた方が分かりやすくなります。
この考え方に変えると、家電の買い時を、イメージや経験だけではなく、データをもとに考えやすくなります。
さらに言えば、この見方はSNSの情報を見るときにも役立ちます。たとえば「今月が買い時」と言われたときでも、その家電がいつ発売されたモデルなのかを考えれば、その情報が自分にとって本当に合っているかを判断しやすくなります。
つまり、家電の買い時情報をそのまま信じるのではなく、発売日と経過月数を一緒に見る習慣を持つことが大切なのです。
結論
8. まとめ
今回の独自調査から、次のことが分かりました。
- 家電が安くなる時期にはある程度の傾向がある
- しかし、そのタイミングは家電の種類、メーカー、モデルによって大きく違う
- 短期下落や底値の時期は、「何月か」より「発売後何か月か」で見た方が分かりやすい
- 新商品発売前が必ずしも最安値ではない
- テレビのように、底値まで18〜20か月かかる家電もある
そのため、家電を安く買うために大切なのは、**「今は何月か」ではなく、「そのモデルが発売してから何か月たっているか」**を確認することです。
今回の調査の範囲では、「買い時」はカレンダーの中にあるというより、それぞれの製品ごとの時間の流れの中にあるといえます。
この考え方を持つだけでも、家電の買い方はかなり変わります。たとえば、同じセールを見ても、「このモデルは発売からまだ1か月しかたっていないから、もう少し待った方がいいかもしれない」と考えられるようになります。逆に、「もう14か月たっているなら、かなり安い水準かもしれない」と判断しやすくなります。
つまり、買い時を見抜く力は、「安い月を暗記すること」ではなく、価格の動き方の型を知ることから生まれるのです。買う前には、発売日と発売後の経過月数を必ず確認するようにすると、判断の精度がぐっと上がります。
今後の活用方法
9. これからの調べ方
今回の数字は、2024年発売モデルを対象にした独自調査です。そのため、これから出るすべての新モデルが、まったく同じ動きをするとは限りません。
それでも、家電ごとの価格の下がり方を知るための目安としては、とても役立ちます。
今後も同じように調べるなら、少なくとも次の時点の価格を記録していくと、さらに分かりやすくなります。
- 発売月
- 発売後3か月の価格
- 発売後6か月の価格
- 発売後12か月の価格
- 発売後18か月の価格(特にテレビ)
こうしたデータを続けて集めていけば、家電ごとの平均だけでなく、メーカーごとの特徴や価格帯ごとの違いも、もっとはっきり見えてくるはずです。
たとえば、同じ冷蔵庫でも「このメーカーは早く下がりやすい」「このメーカーは下がり始めるのが遅い」といった違いが、より正確に見えてくるでしょう。また、同じカテゴリの中でも、高価格帯モデルと普及帯モデルで下がり方が違う可能性もあります。こうした点まで分かれば、さらに精度の高い買い時予測ができるようになります。
つまり今回の調査は、過去の記録であるだけでなく、これから家電を買うときの予想に使える基準にもなるのです。
そして、こうした調査を続けていけば、「家電はいつ安いか」というあいまいな話ではなく、どの家電が、発売後どれくらいで、どの程度安くなりやすいかを、もっとはっきり説明できるようになるはずです。



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